日本の食トレンド: 東京・下北沢のカレー専門店が2026年に入ってメニューを刷新した。看板料理だったバターチキンをそのままに、新たにビリヤニを加えたところ、週末の行列が以前の1.5倍に伸びたという。この1軒の変化は、日本の食トレンドの方向性をよく表しています。スパイス料理への関心は依然として高く、ただ「辛い料理」というくくりを超えて、香りや調理法まで楽しむ段階に入っています。2026年はその延長線上にある年です。
ビリヤニが食卓に定着しつつある
ビリヤニはインド・パキスタン発祥の炊き込みご飯で、肉や野菜をスパイスとともに米に重ねて炊く料理です。日本でのスパイスカレーブームが2015年前後から始まり、2020年代に入ると東京・大阪を中心にビリヤニ専門店が急増しました。農林水産省の食料需給表によると、インド系スパイスの国内輸入量は2023年に5年前比で約30%増加しており、家庭での使用も広がっています。専門家は「ビリヤニの普及はスパイス料理の次のステージを示している」と指摘しています。
ビリヤニを家で作る現実的な方法
市販のビリヤニセットが2024年ごろから大手スーパーに並び始め、自宅再現のハードルが下がっています。ただし本格的なビリヤニはダム炊きという密封調理が必要で、一般的な炊飯器では完全に再現しにくい面もあります。スパイス量が少なすぎると風味が薄く、多すぎると食べにくくなるため、最初は市販ミックスから始めるのが現実的です。
一器で完結する丼文化の進化
日本の丼文化は昔からありますが、2026年のトレンドはその形が変わっています。以前は「丼=ボリューム重視」の印象が強かったのに対し、いまは出汁ベースのスープを注いで茶漬け風にしたり、野菜の副菜を3種類のせてバランスを重視したりする食べ方が広がっています。クックパッドが2026年初頭に発表した食トレンド予測でも、1つの器で主食・主菜・副菜・汁物を完結させるスタイルが上位にランクされました。
出汁を使った丼が広がる背景
名古屋では「ひつまぶし」スタイルで出汁を注ぐ文化が根づいており、それが全国的な「出汁丼」ブームのひな型になったとも言われています。アナリストによると、出汁を使った丼は塩分を抑えながら満足感を出せるため、健康志向と手軽さを同時に満たす料理として今後さらに広がる可能性があるとされています。
海藻と発酵食材への関心の高まり
海藻は日本の食文化に長く根ざしていますが、2026年は「機能性食品」としての再評価が進んでいます。わかめ、昆布、もずくなどの消費量は一時減少傾向にありましたが、腸内環境への関心の高まりとともに復調しています。総務省の家計調査によると、2024年の海藻類支出は2021年比で約8%増加しました。発酵食品との組み合わせ、たとえば塩麹漬けと海藻を合わせたサラダなどが、料理系SNSで頻繁に取り上げられています。
海藻の新しい使い方と注意点
海藻は食物繊維やミネラルが豊富である一方、ヨウ素を多く含むため、甲状腺に疾患がある人は過剰摂取に注意が必要です。これは海藻ブームの陰にある現実的な制限として医療関係者からも指摘されています。毎日大量に食べるのではなく、週数回程度の摂取が多くの専門家に勧められています。
そうめんと米麺のアレンジが加速
2025年夏の米価高騰を契機に、そうめんや米麺などの代替主食への関心が一気に高まりました。ただ2026年はコスト面だけでなく、料理としての楽しさから選ばれるようになっています。大阪・天満橋エリアでは米麺専門店が2025年に3店舗オープンし、いずれも開店から半年で行列店になっています。そうめんも、つゆにつける食べ方から、温スープ仕立てや炒め麺風にするアレンジが増えています。
米麺とそうめんの違いを知って使い分ける
米麺はグルテンフリーで小麦アレルギーの人にも向きますが、炒め料理にすると粘りが出やすく、温度管理が難しいという特性があります。そうめんは細くて火の通りが早い反面、煮すぎると溶けやすい。用途に合わせて選ぶことが料理の仕上がりに直結するため、2つを同じように扱わない意識が定着しつつあります。
本記事は2026年4月時点の情報をもとに作成しています。食トレンドや食品に関する情報は変化することがあります。健康上の理由から食事内容を変える場合は、医師や栄養士にご相談ください。


